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Restaurant Manner

レストランの楽しみ方

1. 料理の種類(各国の特徴)

 


1)フランス料理
フランスの各地方を中心とした

世界の食材に料理人のエスプリを加えた調理技術を用い、

フォンに裏付けられたソースを特徴とし、 美しく盛り付けられたもの。

フランスが体系化したサービスはフランス文化そのもの。

 

フルコースの正餐には食前酒、 ワインで彩りを添えることも世界に普及させた。

雰囲気についても、

手入れの行き届いた室内に優雅にセットされた卓上で

非日常的な人生の楽しさ、 快楽を感じるところ。

フランスでは

日本で呼んでいるような「フランス料理」を

フランス料理(=キュイジーヌ・フランセーズ cuisine francaise) とは言いません。

 

日本で人が通常イメージする非日常高級フランス料理は、

グランド・キュイジーヌ grande cuisine(=大料理)とか、

キュイジーヌ・ガストロノミーク cuisine gastronomique(=美食料理)

あるいはオート・キュイジーヌ haute cuisine(=高級料理)と呼ばれる。

(1)西洋料理の中心をなしている。

(2)農海産物に恵まれていて、豊富な食材がある。

(3)地方ごとにワインやチーズ、パンがありとても美味である。

(4)特産物を使った地方料理が発達している。

(5)食材、食品が厳しく管理され法律(A・O・C)で定められている。

(6)厳選された食材を使用する。

(7)各時代の料理人によって磨き上げられた技術がある。

(8)フォンを基本とするソース

(9)材料の正確な整形

(10)料理人のセンス

(11)料理を生かすサービス。

(12)非日常性。

(13)食べる人が美しいと感じる盛り付け 。

(14)客観的な美味しさ。

(15)4つの地方によって異なる油脂。

(16)幅広い料理レパートリー。

2)イタリア料理
フランス料理は王室、貴族社会で発展してきましたが、

イタリア料理は家庭料理として発展してきました。

 

現代ではあまり感じられませんが、

イタリアは北と南で貧富の差が激しい国でした。

北イタリアには、 ファッションや文化において世界に知られる都市が多くあります。

しかし、南イタリアはそのような華やかなイメージがなく、素朴な地域です。

北イタリアの人々は南イタリアの人々を見下す時代があったのです。

食事においても南と北では、大分違いがありました。

北イタリア料理は、

バターがベースとなる乳製品や牛肉料理が主ですが、

南イタリアではオリーブオイルを使う野菜や魚料理が中心でした。

北イタリアの人たちはそれを貧しいものと思っていたのです。

北イタリアの食事は、

飽和脂肪酸の多い料理だった為、心血管障害が増加しました。

そこで、北イタリアの人々は南イタリアの料理を見直すことになったのです。

そのきっかけは、

南イタリア料理を健康食として紹介した

ロベルタ氏 (1983年、ミラノ出身の栄養士:ロベルタ・サルバドーリ)です。



(1)フランス料理とはメニュー構成が違い、パスタが第一の皿となり気取らない家庭料理多い。

(2)北部では小麦粉、ボー川流域で米、南部では果物が豊富にとれる。

(3)地中海沿岸では魚介料理、各地方で独特な料理が発達している。

(4)オリーブオイルをよく使い、代表的なソースはトマトソース。

(5)ハーブやスパイスを巧みに使い、ニンニクを盛んに使う。

3)スペイン料理
地中料理沿岸の他国と同様、

オリーブオイルやトマト、魚介類を多様するが、

地方差が大きく、 北部大西洋沿岸や南部でそれぞれ特徴のある食文化がある。

代表的な料理はパエリア等がある。

(1)四つの地方で言葉と文化を持ち、それぞれに料理の特徴が違う。

 カタルーニャ、バスク、ガルシア、カスティーリャ地方

(2)地中海料理の特徴でオーリブオイル、ニンニク、トマト、大きいピーマン魚介類多く使う。

(3)パエリヤやイカ墨ご飯などの米料理がある。

(4)カタルーニャ地方に限り伝統的な料理に変わった組み合わせが多い。

 ウサギとカタツムリ、鶏と海老、舌平目とオレンジとドライフルーツ等

4)中国料理
唐の時代(一千年前)には中国料理の品質、色彩、味、形、器という

現代の中国料理に要求される五つの要素がすでに整ったと言われています。

この時代、他国との調理技術の交流が盛んだったのも理由のひとつです。

郷土によって個性がことなり、独自の料理を完成させています。

(1)肉、魚、野菜などの多くの種類の素材と風味を混合ため料理の種類が多いのが特徴

(2)調味料が豊富でバターや乳製品は使わず、その変わりに植物油やラードを多く使う

(3)基本的に魚や野菜を生では食べずに、必ず一度火に通す

(4)「医食同源」の発想から食は薬と考えられている

[中国の料理の種類]
A.北京料理・・・北京は元(げん)・明(みん)・清(しん)の都として栄えたことから、王朝で発展。清朝宮廷の名コックたちが完成させた宮廷料理。宮廷には各地の名菜が集りました。

(1)代表料理:北京ダック、羊肉、水餃子

(2)調理法:揚る、ロースト、炒める、煮る、あんかけ

(3)ベースは淡白

(4)歯ざわりの良さ、やわらかさ、新鮮さと香りに重点

(5)麦や雑穀が主食(麺類、餃子等が発達)

(6)魚料理よりも肉料理が発達

B.上海料理・・・蘇州(そしゅう)、杭州(こうしゅう)、揚州(ようしゅう)など江南(こうなん)各地の料理を集大成したものが上海料理です。海に近く湖沼が多い為、エビ、カニ、魚が豊富。中国有数の米作地帯。国際都市として栄えたことで、外国の調理法の影響を受け、洗練された味が完成しています。

(1)代表料理:上海蟹、えんどう豆と海老の炒め物、小篭包子

(2)調理法:煮る

(3)家庭料理(煮込み料理)が多い

(4)米と紹興酒などの産地あり

(5)麺などの簡単な食事から発達

C. 広東料理・・・中国料理の中でも最も有名な料理と言われる。広東人によって、外国に広められます。世界中にある中華料理店のほとんどが広東料理です。亜熱帯の新鮮な食材を生かし、淡白な味付け。

(1)代表料理:酢豚、牛肉のオイスターソース、子豚のあぶり焼き

(2)調理法:炒める、煮る、焼く

(3)日本に伝わる、飲茶(点心)のベース

(4)海産物を中心

(5)代表的な素材にフカヒレ、ツバメの巣

(6)蛇料理などのゲテモノ料理も特色

D. 四川料理・・・食材豊かな「天府の国」、年中霧が立ち込める特殊な気候風土を背景として四川独特の麻辣(あさらつ)の味が生まれました。麻はしびれるような山椒の味、辣は唐辛子の辛い味です。さらに油を大量に使った脂っこい味付けが特徴です。 豆板醤!その他個性のある調味料が奥深い複雑な辛さを生み出しています。

(1)代表料理:麻婆豆腐、えびのチリソース、鰻の醤油煮込み

(2)調理法:煮る、炒める

(3)前菜の一品料理が多いのも特徴

(4)中国の穀倉地帯で材料には豚肉をはじめ牛肉、鶏、川魚や野菜を多く使う

(5)シロキクラゲ、キヌガサダケは珍味。またザーサイなどの漬物も美味しい

E. 山東料理・・・明、清時代に宮廷料理の主流となった料理です。北京、天津、東北の各地の料理に対して大きな影響を与えました。肉や魚貝の臭みを取るために、香辛料をふんだんに使う料理が多くあります。

(1)代表料理:黄河鯉(こうがごい)の甘酢炒め、燕の巣のコンソメ煮込み、モツの香り炒め

(2)調理法:煮炒め、焼く、炒める、揚げる

(3)清湯(せいたん)と呼ばれる澄んだスープやクリームスープが有名です。

F. 福建料理・・・福建料理は福建省を起源に、福州、泉州、アモイなどの郷土料理ををベースに発達します。福建は沿海に位置しています。

(1)調理法:炒める、焼く、煮る、あんかけ

(2)辛さが控えめで淡白な料理

(3)ハモ、アゲマキ、イカ、イシモチ、ナマコなどの海鮮が豊富 ※他にも江蘇料理(こうそ)、湖南料理(こなん)等多くの郷土料理をもつ
 

5)日本料理
日本料理は中国の文化の影響を強く受けていると言われています。

その時代は8世紀ごろからです。

14世紀ごろからは、米の常食や醤油や砂糖、 味噌などが普及しました。

16世紀ごろからは、ポルトガルとの貿易が盛んになったということもあり、

様々な国の文化が混交してきました。

このような背景の中、日本料理が完成され、一般営業の飲食店が栄えはじめます。

[日本料理の特徴]
陰陽五行説に影響を受けていて、

五行説では味・色彩・調理法の三つに大きな影響を与えたと言われています。

五味・五色・五法等がそれです。
 

五味・・・五つの味:辛(しん)辛味、酸(さん)酸味、苦(く)苦味、甘(かん)甘味、鹹(かん)塩味
五色・・・季節を表す色。赤(夏)、黄(土用)、青(春)、白(秋)、黒(冬)

     ※土用:1年に4回あり、立春・立夏・立秋・立冬の前各18日間。
五法・・・五つの調理法:生食、焼く、煮る、蒸す、揚げる。

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